うたごえ

『歌声』

 ー少女は歌を歌い、街中の人々を笑顔にしましたー

 少女の住む街には約3か月間、雨が降りません。畑の農作物も枯れ果ててしましました。

 飲む水すら乾いてしまいます。

 街中の人々は、水を求めていがみ合いを始めました。それがやがて暴動を生み、枯れ果てた街は、ほとんど崩壊してしまいました。

 少女は考えました。自分に出来ることは何かと。

 少女には、歌がありました。歌を歌うことが大好きな少女は、街の真ん中で歌を歌い出しました。

 しかし、誰も見向きもしません。

 少女は諦めませんでした。毎日毎日、来る日も来る日も歌い続けました。

 すると、街の人達はいつしか少女の歌に耳を貸すようになりました。

 少女の歌声は、透き通るよな、そして心に語り掛けるような優しい歌声です。

 そんな歌声が街の人達の心に届いたのです。街中の人達の心に優しさが再び戻りました。

 やがて暴動はなくなりました。崩壊した街も少しずつ活気を取り戻してきました。

 少女の歌声が争い合うことの愚かさを気づかせてくれたのです。街中の人々は分け合うことを始めました。奪い合うことではなく、分け合うことを思い出したのです。

 そこに人々の幸せがあったのです。

 少女の歌声は、いつまでも街中に響き渡りました。

 今日はこの辺で。

 人は忘れてしまう生き物のようです。でも思い出すことができます。そして想いを伝えることができます。

aiair

~aiair~   ”あいえあ”  ”I air”   -まるで”空気”のように、いつの間にか”すぐ近く”に-

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