老人と少女

『老人と少女』

 昔、ある所に一人の少女がいました。

 少女はある時、旅を続ける1人の老人と出会いました。老人は色んな知識や経験を持っていて、いつも少女に物語や世界中の出来事、そして人生の歩き方などを話していました。

 少女は老人の話がとっても好きで、老人に会えることが毎日毎日、楽しみで仕方がなく、いつか自分も色んな人にたくさんの話をしてみたい、と思うようになりました。

 少女に夢が芽生えたのです。誰かのために何かをするという素晴らしい夢を。

 でも、老人はいつかこの街を離れ、また旅に出てしまうのです。次から次へと旅を続ける老人は、最後に少女にこんなことを言いました。

 「これから先、あなたは色んな人に出会うでしょう。その時、私があなたに伝えたことの半分でも、たった一部でもいいので、少しずつ話してあげなさい。

 誰かのためにその知識やあなたの想いをできるだけたくさんの人に届けなさい。

 「あなたにはそれができるのです。」

 「でも、あなたの出会った人たちとは、いつしか別れなければならない時もきっと来るでしょう。それは死かもしれません。それは色んな旅立ちかもしれません。きっと様々な理由で別れてしまうことがあるでしょう。

 そんな時、あなたは胸が張り裂ける位、そして心が強くねじ曲げられる位、悲しい想いをするでしょう。でもそんな時こそ手を伸ばしてごらんなさい。

 あなたが精一杯手を伸ばせば、あなたの手をギュッと強く掴んでくれる人がいます。その時はその手を決して離してはいけません。その手をギュッと握り返しなさい。

 その手を握ってくれる相手は、これから先もずっとあなたの味方でいてくれる大切な人です。

 きっと出会えることでしょう。もしかするとたくさんの人たちが握ってくれるかもしれません。あなたはその人たちに感謝をし、あなたもその手を決して離さないように握り続けなさい。

 その人たちがいつ手を伸ばしても、ギュッと強く掴んであげられるように。」

 少女は老人の話している意味が理解できました。だからこそ老人との別れも胸が張り裂けそうでもぐっとこらえました。

 その数日後、老人は他の場所へ旅立ちました。

 そしてその少女はたくさんの人たちに様々なことを伝え続けました。

 昔話はここで終わりですが、この話には続きがあります。きっと決して終わることのないお話なのかもしれません。

 色んな人たちに伝わり、どんどん膨らむ物語なのかもしれません。

 そうです。このお話の少女はもしかすると私なのかもしれません。たくさんの人たちにできるだけ多くのことを、できるだけ多くのものを届けられるように。

 それは笑いなのかもしれません。

 それは笑顔なのかもしれません。

 それは想いなのかもしれません。

 たくさんの想いが伝わるように。たくさんの人たちに伝わるように。

 いつも色んな想いを込めて。

 aiair ーあいえあー は、こうしてできました。

 空気のようにいつもすぐそこにある。安心感のある優しい存在。

 aiair ーあいえあー 

aiair

~aiair~   ”あいえあ”  ”I air”   -まるで”空気”のように、いつの間にか”すぐ近く”に-

0コメント

  • 1000 / 1000