ちょっといいはなし

『ちょっといいはなし』

 今日は珍しく、ちょっといい話をします。

 昔、ある所に貧しい生活をしている、とても素直な一人の少年がいました。

 少年のいる国では、国王が次の国王を決めるため、国民にある課題を出しました。

 その課題とは、1人1つずつ植物の種を渡し、その種を一生懸命育て、1年後、その花の美しさを評価し、次の国王を決める、というものでした。

 少年も1粒の種をもらい、それはそれは一生懸命育てました。

 しかし、少年が大切に育てている種は、1ヶ月経っても、2ヶ月経っても芽を出しません。

 それでも少年は毎日毎日一生懸命話しかけたり、水をあげたり、土をかえたりと努力を続けました。

 そして月日は過ぎ、1年が経ち、約束の時を迎えました。

 少年が一生懸命育てた種は結局芽を出すことはありませんでした。

 少年は、国王にちゃんと説明し、謝るつもりでした。

 種を渡された全員が集まり、少年以外の人たちは、それはそれは素晴らしい花を咲かせ、自慢げに国王に差し出しました。

 そしていよいよ次の国王が決まる時です。国王は言いました。「次の国王は、この少年にする!」

 少年は驚きました。集まった全員も驚きました。

 続けて国王は「私が1年前、皆に渡した種は、茹でた種です。花など咲かせるはずのない種を渡した。なのに少年以外の全員が立派な花を咲かせた。どうしてだ?」

 「素直に謝った心の綺麗なこの少年こそが、次の国王にふさわしい!」そして国王は少年を称えました。

 少年は、次の国王として、豊かな国を築きました。

 おしまい。

aiair

~aiair~   ”あいえあ”  ”I air”   -まるで”空気”のように、いつの間にか”すぐ近く”に-

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